超激レア!?「肉に合う酒」を生み出した3人の男たち 酒屋・酒蔵・居酒屋がタッグを組んだらこうなる!

 

誰もが笑顔になる究極の食材「肉」。そんな肉に合う酒って言えばそう、日本酒!!!!!え?っと思う方もいるかもしれませんが、実は今、瑞鷹の「肉に合う酒」というそのまんまな名前の日本酒が販売されています。実はこれ南区田井島にある「たちばな酒店」でしか販売していない酒で、ラベルはお笑い芸人・ガリットチュウの福島氏が手掛けています。酒蔵・酒屋・居酒屋の3者が手を組んで生み出した限定酒「肉に合う酒」について話を聞いてきました!!

「肉に合う酒」を生み出した男たち

下通りにある炭火焼き居酒屋「福みみ」。今日ここに3人の男が集まっていると聞いてやってきました。

その3人がタッグを組み「日本酒に合う酒」という業の深い酒を生み出したというのです。それはもうとんでもない会議が行われているに違いありません。

めっちゃ楽しそうに日本酒で乾杯してました。

良いなぁこの最初から全力で酒を楽しむスタイル。飲兵衛にはたまりません。好感しかない。

今日集まった3人の男は…

このお店「福みみ」の代表であり、今回の企画を担うイベント会社「マイトレーヤ」の代表でもある寺田悟さん。

今回の企画「肉に合う酒」の言い出しっぺ。

今日のTシャツは「新和魂」。

熊本の酒造りの若き獅子。

瑞鷹副社長の吉村謙太郎さん。

今日のTシャツは「日本酒を飲もう」。

酒を売るのは情報戦。酒の情報、人の情報を武器に酒を売る。

南区田井島にある「たちばな酒店」専務田尻智也さん。

今日はひとりだけジャケットで決めてきています。

この3人の男たちが生み出したのがこの「肉に合う酒」。瑞鷹が造って、たちばな酒店が売って、福みみが提供している日本酒で、まじで名前の通り肉に合うキリッとしたお酒です。しかもイラストは熊本出身のお笑い芸人・ガリットチュウ福島さんが手掛けている本気っぷり。こんな感じで多くの人が関わって生まれたお酒って実は結構レアケースなので、今回、この3人を酔わせて色々聞き出してみたいとおもいます。

なぜ「肉に合う酒」は生まれたのか

 

早速、この「肉に合う酒」の話を聞いていきましょう!言い出しっぺは誰でしょうか。

私が最初に言い出しました。もともとは飲食店だけをやっていたのですが、料理もそうなんですけど人とつながることが楽しくなって、昨年の9月にイベント会社も設立したのですが、そこで熊本を盛り上げる企画がやりたいなぁっと思いました。飲食をやっていて、熊本のもので…と考えたらお酒だなっと思ったんですよ。以前から瑞鷹さんのお酒をたちばな酒店で仕入れていたのでお願いしたんですよ!

ガリットチュウの福島さんも、高校の同級生で昔から絵が上手で普段から依頼を受けてはイラストを描いているんですよ。同じ熊本出身ですので、デザインをお願いしたんです。お酒の販売となると私だけでは無理なので、田尻さんに相談したことで企画がスタートしました。

寺田さんと田尻さんが2人でやってきて相談を受けて、非常にいい話だと思いましたね。

私も家業のたちばな酒店に帰ってきて11年経つのですが、その頃は今ほどSNSが普及していたわけではなかったので、東京の情報を先に仕入れて流行りを持ち込めば勝ちだったんですよ。一流の酒蔵さんって、娘を嫁がせるような思いで酒屋に酒を託すので、本当に良いお酒を仕入れようと思うと時間もコストもかかるんです。ですが、その情報をいち早く仕入れていれば安泰だったんです。しかし、コロナやSNSの普及で状況は変わってきました。自分のアドバンテージを考えたとき、やっぱり熊本だなと思って熊本の酒をしっかり販売していこうと取り組んでいました。寺田さんから話を聞いたときに2年間悶々としていたものを具現化できるものだ!と思って乗っかりましたね。あとは普段の取引から感じていたお人柄ですね(笑)。それで、二人で瑞鷹さんにお願いにいきました。

そんな話をしているときに出てきた料理が「トロトロ豚なんこつ鉄板」。めちゃくちゃ柔らかくて美味しい。今日は「肉に合う酒」が一緒なので、肉しか食べません。

すごく濃い味なんで、お酒と合わせると濃いものと濃いもので喧嘩しそうなんですけど、めちゃくちゃ合うんですよ。

そういう企画なので、一緒に楽しみましょう。

ここで飲むのが良いんですよ。居酒屋メニューとぴったりなんですよ。

 

実際、かなり料理との相性が抜群で、グイグイ飲んでしまいます。たちばな酒店から仕入れているお店では他のお店でも提供しているほか、店舗に足を運べば個人で購入することも可能です。

実は、かなり人気があって残りわずかなんですよ。500本くらい造ってあと70本くらい(※取材時点)なんですよ。

本当はもっと造れたら良かったんですけど、コロナの影響でお客さんが減っている中でどれくらい販売できるかわからなかったので、少なめに造ってはいるんですよ。

完全にタイアップして造ったもので、売る人、提供する場所が決まっているものなので、なかなか大量に造れないんですよ。ちょうど1タンク分なんですよね。

 

続いて現れたのは「日向鶏の炭火鉄板」。もう取材どころじゃない。柚子胡椒と一緒に口に運ぶと、気づけば手元の酒まで空になる。

ガリットチュウ・福島さんも二つ返事

デザインも福島さんが二つ返事で描いてくれて、本当にコンセプトにぴったりだなあと思います。

いつもよくしてくれて、震災のあとも川尻の蔵まで来てくれたんですよ。

私の場合、高校の同級生って関係性もありますけどね。クラスも一緒だったんでウマがあったんですよ。

本当に裏表がない方ですよね。仕事に対する真面目さも時間かけてやってくれるんですよ、このラベル見てくださいよ。

この襟の部分なんですけど、頼んだわけじゃないのに熊本県のロゴを使ってくれてるんですよ。

案も3,4つ挙げてくれましたし、細かな修正も都度描いてくれるんですよ。酒のラベルってデザインだけではなくて、法定表記なんかもあるのに細かく描き直してくれたんですよね。

今回のお酒に関わらず、他のお酒のラベルも手掛けてくれているんですよ。すごくおしゃれですよね。

酒のあり方は変わっていて、日本酒の立ち位置も変わってるんです。昔みたいに無理やりついで飲ませるお酒ではなくなってきていて、やっぱり楽しく飲みたい。私のイメージでは音楽とかお笑いとか、文化的なものと同じ位置にいられたら良いなと思ってるんですよ。そのために大量に作れなくなってるんですよ。本当に飲みたい人に届けば良いし、その人にどんな思いで造ったのかストーリーを知ってもらいですね。

「お酒の神様いるなぁ」

そして畳み掛けるようにやってきた串盛り。酒もびゃんびゃん進みます。

この企画を通して「お酒の神様はいるなあ」と思いましたね。コロナ禍で悶々としていた中で、ポンポン話が進んでいったんですよ。例えば、吉村さんとは年齢も近いし普段からの取引もあるのでスムーズに話ができましたが、基本的には酒蔵さんって行きにくいんですよ。

実は酒の仕込みも終わったあとにお話を頂いたんですけど、実験的に造っていたお酒がいくつかあったのでそこから選んでもらったんですよ。

ブラインドで飲ませてもらって、めちゃくちゃ肉に合う酒だな!!って思ったんですよ。

それでも企画に合う酒があったのは奇跡ですよね。

福島さんも足を運んで、ちゃんと飲んで描いてくれたんですよね。

商品化するって普通難しいし、あの時期にこられてもできないんですよ(笑)。でも、本当にすべてが上手く噛み合ったんですよ。そもそも一緒にやりたいって思ったので、仲間意識で細かい話をする前に進めていきましたね。売れる売れないよりやること前提でした。

販売先がたちばな酒店さんなのも、やっぱり人間関係ですもんね。

こういう企画って、失敗すると関係悪くなったりしちゃうじゃないですか。だからその心配のないメンバーでとりあえずやれたのは良かったですね。

新しい酒の価値はいずこに

このあと、3人ともとても理想的なえーくらい方をしてどーにも記事にはできない話が飛び交ってしまいましたので割愛させていただきます。お酒を飲むと普段できない話ができるのも、魅力ですよね。

お酒の飲み方が多様化する世の中で、さらにはコロナ禍で流通も大きく変わった日本酒業界。

それでも、美味しいお酒と楽しい時間を届けるために、酒蔵と酒屋と居酒屋と手を組んで美味しいお酒を作ろうとそろぞれの得意分野を担当して、企画を立ち上げました。これも新しいお酒のあり方なのかもしれません。ピンポイントにニッチな層を狙って生み出されたお酒。本当に「肉に合う酒」で願わくば定番商品にして欲しいくらいでした。

これからも面白いお酒が生まれていくことを期待して、今回はお開きとしたいと思います!